· 

暮らしの保健室の「がんカフェ」に行ってきました

新宿区にある「暮らしの保健室」に行って来ました。

今日は《ガンカフェ》です。

ガンを経験した人やこれから治療を始める人たち十数人がお茶をしながら近況を話す会。

新宿区も協力している、がん患者・家族支援の活動です。

本日の私の役割はよく医師が言う「適度な運動」にヨガはぴったりですよ、と皆さんに伝えること。

 

病気の時や病後に適度な運動を勧められることはよくありますが、では、適度な運動とは?

と具体的に問われるとそれは何? と疑問が起こります。

まずはお散歩。そしてラジオ体操、ストレッチなどが浮かぶでしょう。

最初にヨガを思い浮かべる人は多分、多分ですがいません。

ヨガは若くて細くて身体が柔らかい特殊な人たちがやるものだ、と一般にイメージされていることが多いからです。

 

身体が硬いからこそ柔らかくいるためにする

若くないからこそ若さを保つためにする

体重を適切な数値に維持していく事が理想だからこそする

 

これが適度な運動の条件だとすると、ヨガはちゃんと当てはまります。

病気の身体に負担なく無理なくできる、というのも付け加えておきましょう。

 

病気はいくら予防していてもなるときはなりますし、生きてる証拠に年はとりますから仕方ありません。私たちの身体や心は完全にコントロールすることなど出来ないのです。

せめて出来るのは、もしそうなったときに耐えられる心と身体を持ち続けていることしか思いつきません。

私が長く続けているヨガ教室にも途中ガンになってしまった方が何人かいます。乳ガンになったお二人は共にヨガ歴10年以上でした。お二人とも入院中は自然にベッドの上で足を90度に上げて足の浮腫み知らずでしたし、リハビリも短期間に終えて、レッスンにも半年経たずに復帰しました。手術してから15年経ちますが、今も週一レッスンに休むことなくいらしています。

 

今、ガンの方がまたお二人通っています。

お二人はヨガ歴が短いのですが、抗がん剤治療を途中で止め、再びレッスンを再開しました。

辛い日もあると思いますが、ガンになる前よりずっと熱心に通っています()し、この酷暑にもかかわらず身体をヨガで動かした日は調子が良いから来ますと言います。

ヨガがガンに効果があるのではなく、まんべんなく身体を動かし、静かに自分の心身と向き合うことが身体と心に良い影響を与えて、それが結果、気分良く日々を過ごせることに繋がっているのだと思います。

 

夢中でヨガをしているときはガンを忘れます。ガンだけでなく全てを忘れます。

きっとこの「忘れる」ことが良いのだと私自身も長くヨガを続けていて感じます。

済んだことは忘れる、そして今を生きる、がヨガの効果だと思うのです。

今すぐ直接患部に効くことはないでしょうが、身体はつながっていますから、血流が良くなり余分な力が抜けて、一時ガンを忘れる事が出来ればストレスは軽減するでしょう。

 

がんカフェの中で、一人の女性が繰り返し仰っていた、もう二度と治療の苦しみを味わいたくないので、そうならないために食事だとか薬だとか注意することを聞きに来ましたという発言が頭に残ります。私は幸運にも今まで元気なので、ガンの苦しみを真の意味では理解できませんが、ガンはやはり重い病気なんだ、と彼女の繰り返される言葉でも実感します。

秋山先生は、残念ながら再発しない、とは誰も断言出来ません、と静かに仰っていました。

 

癌などという病名をいったい誰がいつ、名付けたのか? と思います。もっと違う温かさや明るい未来を指す言葉なら克服出来たのかも知れないのに…とバカなことを思ってしまう午後でした。